腸内フローラを良い状態に保つために
健康やお肌の状態、美しさを維持するには、腸内フローラのバランスを良い状態に保つことが重要です。
腸内細菌の構成には個人差があり、それぞれ自分だけの腸内細菌叢(腸内フローラ)を持っていると言われています。しかし、腸内細菌叢は常に一定ではなく食事や生活習慣、環境、加齢などさまざまな要因によって変化します。
以下の点に気をつけて腸内環境を良い状態に保ちましょう。
- ・バランスのよい規則正しい食習慣
- ・肉食に偏らず、食物繊維を十分にとる
- ・十分な睡眠をとる
- ・過度なストレスをさける
- ・適度な運動習慣
- ・プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた食事(シンバイオティクス)
腸内フローラを良い状態に保つ食事について紹介します。
目次
- ○ プロバイオティクスとは
- ○ プレバイオティクスとは
- ・オリゴ糖
- ・水溶性食物繊維
- ・不溶性食物繊維
- ○ まとめ
プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとは、ヒトの健康によい効果を発揮する生きた微生物やそれを含む食品のことを言います。
いわゆる善玉菌と呼ばれるビフィズス菌の含まれたヨーグルトや乳酸菌から作られたぬか漬け、味噌、キムチ、納豆菌から作られる納豆などの発酵食品などです。
腸内にはもともと細菌が定着しているので、新しく入ってきた菌が定着することはないと言われています。
しかし、新しく入ってきた菌が免疫細胞を刺激して免疫力を活性化したり、もともといる善玉菌を活性化すると言われています。
例えばヨーグルトは1日に200~300g摂取するといいそうです。最近では色々なヨーグルトがあるので、数週間試してみて自分にあったものを選ぶといいそうです。
プレバイオティクスとは
プレバイオティクスとは、もともと腸内にいる善玉菌を増殖・活性化させて腸内環境を整える作用をもつ食品成分のことで、善玉菌のエサになるものです。
オリゴ糖や水溶性食物繊維、不溶性食物繊維などがあります。
食物繊維は、ヒトの消化酵素で消化されません。大腸内の腸内細菌が発酵することによって、短鎖脂肪酸やメタン、二酸化炭素、水素などに分解されます。
このうち短鎖脂肪酸が人体にとって有益な作用(大腸粘膜の保護や発がんの予防、肥満の予防、糖尿病の予防・改善、食欲の抑制、免疫機能の強化など)を発揮します。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準」では、1日あたりの「目標摂取量」は、成人男性で20g以上、女性で18g以上とされています。
オリゴ糖
オリゴ糖は、単糖類(グルコース、ガラクトース、フラクトースなど最小単位の糖)が2〜10個程度つながったものです。
消化されにくく腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、その働きを活発にします。
・ガラクトオリゴ糖:母乳,牛乳などに含まれます。
・イソマルトオリゴ糖:はちみつ,味噌,醤油,清酒などに含まれます。
・フラクトオリゴ糖:玉ねぎ,ごぼう,アスパラガス,バナナ,にんにくなどに含まれます。
・キシリオリゴ糖:とうもろこし,たけのこなどに含まれます。
・大豆オリゴ糖:大豆,きな粉などに含まれます。
・ラフィノース:キャベツ,アスパラガスなどに含まれます。
水溶性食物繊維
善玉菌のエサになります。
ワカメやコンブなどの海藻,寒天,コンニャク,モロヘイヤ,オクラ,長いも,里いも,もち麦,アボカドなどに含まれます。
不溶性食物繊維
便のもとになります。
便の量を増やし、腸壁を刺激することによって大腸の蠕動運動を活発にします。
豆類、全粒の穀物、野菜、芋、キノコ類などに含まれています。
ブロッコリーには、スルフォラファンと言う物質が含まれていて抗酸化作用や解毒作用(発がん予防)があります。
まとめ
腸内フローラを良い状態に保つためには、プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせたシンバイオティクスの食事をとるようにすることが大切です。
「健康日本21(厚生労働省)」では、野菜摂取の目標を1日350g以上(そのうち緑黄色野菜を120g以上)としています。
目安としては、小鉢1皿を70gとして1日に5皿(野菜炒めなどは2皿と計算)以上とることがすすめられています。
食事以外にも適度な運動、睡眠、ストレスをためないなど日常生活にも気をつけて、腸内環境を保ちましょう。